NPO法人日本結婚教育協会 性のプロジェクト 今枝朱美です。
結婚教育では、「子どもから大人まで性のステキを聞ける学べるプロジェクト」があります。
今回は夫婦のセックスレスについて考えてみたいと思います。
性欲は人間の3大欲求の一つだとお伝えしています。
食欲・睡眠欲・性欲
「食べなかったり眠らなかったら死んじゃうけど、セックスしなくたって死にません!」
「100年間セックスしなかったら人類は滅んでしまいます!」
「性欲はあたりまえの欲求なのに受け入れないのはおかしい!」
いろいろな意見があると思いますが、今日はそういったことではありません。
パートナーがセックスを求めているのに自分は性欲が無いので応えることが嫌なあなたに、少しでも相手の気持ちを想像していただけたらと思い、3大欲で考えてみたいと思います。
まず食欲。
あなたは一日三食、朝昼晩決まった時間にきっちり食事をとりたいとします。
パートナーは仕事前にコーヒー飲んで、お腹がすいたらカップラーメン食べて、仕事が終わったらお酒とつまみで良しとします。
結婚前のデートの日は、朝食は別々、待ち合わせてランチして、遊んで夜になったら居酒屋で好きなもの食べて、デートは非日常なので気づきません。
結婚するまで日常はずっと規則正しくしてきたあなたが、結婚と同時にパートナーの食に合わせなければいけなくなったらどうですか?
お腹すくし、食べたいものが食べられないし、体調も悪くなり、私は空腹だとテンションが異常に下がり口数も少なくなるタイプなので、毎日毎日悲しくてだんだん腹が立ってくると思います。
次に睡眠欲。
あなたは一日7時間は睡眠時間をとりたいとします。
パートナーは4時間で十分だとします。
結婚前は同棲していなければ気にならないし、たまのお泊りなら合わせられます。
結婚するまでできる限り睡眠時間を確保し、体調管理に気を付けてきたあなたが、結婚と同時にパートナーに合わせて4時間睡眠に付き合わされたらどうですか?
眠いと朝スッキリ起きられないし、昼間はボーっとするし、夜は眠くなるし、これまた私だったら辛くて腹が立ってくると思います。
最後に性欲。
あなたはセックスがあっても無くてもどっちでもいいとします。
パートナーは毎日でもしたいけど、仕事もあるし、パートナーと会えるのは週末なので、週末のデートを楽しみに日々頑張っていたとします。
結婚前は好きだし、一週間に一回のデートだし、結婚したいので合わせられます。
結婚するまで週一のペースであったものが、結婚して無くてもいいあなたにパートナーが合わせなければいけなくなったらどう感じると思いますか?
大好きな人が毎日目の前にいて、ふれたくても振り払われ、誘っても断られ、もう愛されてないんじゃないか、自分のことなんかまったく考えてくれてないんじゃないかと思って、私だったら寂しくて悲しくて最後には腹が立ってくると思います。
結婚して夫婦となっても、朝食をとるとらないは各自の自由にできるし、昼食も別のことが多いです。
夕飯も一緒の食卓で別のものを食べることだってできます。
睡眠も同じベッドで寝るとしても自分の好きな時間に寝て、好きな時間に起きることができます。
しかし、セックスはひとりではできず、別々にはできず、二人でなければできません。
また、代わりに他の人とすることができません。
いや、他の人とすることが代わりになるわけではなく、あなたとしたいのです。
たとえほかの人とできたとしても、結婚という契約のもと、あなたは許さないでしょう。
食欲・睡眠欲・性欲。
三大欲と言われるほど大切なことなのに、結婚すると食欲や睡眠のように自分の思いだけではどうにもならず、満たされないことにせつない思いをしなければならないのが性欲です。
結婚しているからと言って、セックスしなければいけない訳ではありません。
二人が望まないなら、それが二人にとって最高なセックスの関係です。
二人が望むのであれば、毎日だってSMだってなんだってそれが最高なセックスの関係です。
二人の思いが違ってきたとき、相手の腹が立つ気持ちがわからない時、食欲と睡眠欲のことを考えて相手の気持ちを想像してみてください。
求める側も求められる側も、断る側も断られる側も同じです。
自分の思考を知り、相手との違いに気づき、より良い夫婦関係を築いていってください。